概要
環境省 中部山岳国立公園管理事務所様からのご依頼で、新宿御苑インフォメーションセンターで開催された中部山岳国立公園の企画展示において、展示物の制作から会場設営、会期終了後の搬出までを担当いたしました。
北アルプスの魅力を、東京・新宿で伝える。
本展示は、「北アルプスを知る・歩く・守る」をテーマに、雄大な山岳景観の魅力から、登山ルート、安全・マナー、ライチョウの保護、自然環境を守る取り組みまで、幅広い情報を来場者に伝える展示です。
今回のご依頼では、制作から設置までの期間が非常に限られていました。
限られた時間の中でも、単にパネルを制作するのではなく、「東京にいながら北アルプスの魅力を感じてもらい、実際に山へ行ってみたい、そして山を守ることにも関心を持ってもらう」という展示の目的から逆算して、展示全体を組み立てていきました。
圧倒的なスケールで、北アルプスの魅力を伝える

展示の入口となるのは、中部山岳国立公園の雄大な自然を伝える山岳写真。
山岳写真家・佐々木信一様をはじめ、写真家の皆様から貴重な写真をお借りし、迫力のある大型ビジュアルとして展開しました。
なかでも目を引くのが、高さ2.3m、横幅4.8mに及ぶ上高地の大型写真です。
東京の展示空間に、まるで北アルプスの風景が現れたようなスケール感をつくることで、写真を「見る」だけではなく、山岳景観そのものを体感してもらえる展示を目指しました。
環境省の発表でも、大型グラフィックなどを用いて北アルプスの雄大な自然を紹介する展示として位置付けられています
「行ってみたい」につながる、登山ルートの紹介

美しい写真を見て終わるのではなく、実際に北アルプスを訪れるきっかけをつくるため、空撮写真などを活用して登山ルートも紹介。
山の特徴や見どころを分かりやすく伝えるとともに、登山の際に知っておきたいルールやマナーについてもパネルで紹介しました。
「きれいだな」で終わらず、「ここに行ってみたい」「行くならこういう準備が必要なんだ」と、次の行動につながる展示を意識しています。
ライチョウを、楽しみながら知ってもらう

中部山岳国立公園を象徴する存在のひとつであるライチョウについては、子どもたちにも興味を持ってもらえるよう、クイズなどを取り入れた展示コーナーを設けました。
ライチョウの生態や保護の取り組みを一方的に説明するのではなく、楽しみながら知ることで、「守っていきたい」という気持ちにつながる展示を目指しました。
今回の企画展示では、ライチョウの保護増殖の取り組みや、観察・撮影時の注意点なども紹介されています。
「山を守る」という、もうひとつの視点を伝える

美しい自然を楽しむだけではなく、その自然がどのように守られているのかを知ってもらうことも、今回の展示の重要なテーマでした。
中部山岳国立公園パートナーシッププログラムでは、企業や団体との連携による魅力発信や、自然環境の保全・利用促進について紹介。
さらに、北アルプストレイルプログラムについても、その仕組みや登山道の維持・補修、自然環境の保全について分かりやすく伝えました。
北アルプスの登山道は、山小屋を中心とした関係者の努力や行政の取り組みによって維持されてきましたが、環境の変化によって新たな利用者参加の仕組みが検討されています。
展示を「体験」に変えるデジタルスタンプラリー

展示を順番に見てもらうだけでなく、会場内を楽しみながら巡ってもらう仕掛けとして、デジタルスタンプラリーも実施しました。
展示を見ながらスタンプを集め、アンケートに回答すると、抽選で50名程度にオリジナルグッズが当たる企画です。
情報を一方的に届けるのではなく、「見る → 知る → 参加する」という体験にすることで、展示そのものへの関心を高めました。
美しい景色の、その先へ。
今回の展示では、アンケートを通じて「山岳の美しさに感動した」「ライチョウを守ることの大切さを感じた」「北アルプスを訪れてみたい」といった声も寄せられました。
美しい写真をきっかけに興味を持ち、山を知り、自然を守ることを考え、そして「いつか自分も行ってみたい」という気持ちにつながっていく。
展示という限られた空間の中で、「伝える」だけではなく、人の気持ちや行動を動かすところまでデザインする。
それが、今回私たちが目指したクリエイティブです。
プラルトでは、印刷物や展示物を「つくる」だけでなく、その先にいる人に何を伝え、どんな行動につなげるのかまで考え、お客様の目的に寄り添った企画・制作を行っています。
プロジェクトチーム
- Tsuneo Shibuya
- Izumi Miyawaki
- Midori Nakayama
- Miho Nagasawa
- Kento Nakahara
- Tatsuhiko Kubota