News

プラルトの色再現力 -「Japan Color」認証とその先-

2017/05/26

【ぷらり】

この記事はプラルトニュースレター「Purari(ぷらり)」に掲載されている内容からの転載です。紙面でお届けしている人気の「Purari(ぷらり)」をぜひオンラインでもお楽しみください。

プラルトの色再現力

なぜプラルトの印刷物は感性に訴えかけるのか

営業企画部 西川和佳奈

プラルトの"職人魂"が創り出す、色彩の魅力をお客様に提案する営業企画部 西川和佳奈

2016年にプラルトの印刷技術は、厳しい審査に合格し、Japan Color認証制度(以下、Japan Color)の一つである「標準印刷認証」を取得し、常に安定した色調の管理ができる水準であると公に認められました。

1992年、全国に先駆けて高精細の「ハイビジョン印刷」を実用化して注目を集めた後も、印刷機のデジタル化など大きく変革する業界の中で、私たちのひた向きなチャレンジは続いています。今回の「Purari」では、この高度な色再現の技術とそこに携わる技術者たちを紹介します。

Japan Color認証制度とは

Japan Color

印刷技術の標準化を推進し、
印刷品質の安定と生産性向上を目指すツール

Japan Color認証制度は、ISO国際標準に準じ、印刷色の標準に基づいて認証を行うものです。この制度には、「標準印刷認証」と「マッチング認証」、「プルーフ運用認証」、「プルーフ機器認証」、「デジタル印刷認証」の5つのカテゴリーがあります。

「標準印刷認証」は、細かな印刷機械のメンテナンスと数値管理により、安定した品質の印刷物を作成できる工程管理能力が認められると取得できる認証です。具体的には、5000枚の連続印刷における印刷物のインクの色のブレや、滲み具合が一定の範囲内で安定して作成できる能力があるかを審査します。

「マッチング認証」は、標準印刷認証を取得していることを前提に、高度な色再現技術を駆使して、印刷物の色を、基準値の許容幅に入れることができる能力等について認証するものです。

Japan Color認証制度

印刷の文化を大切にしたい

プラルトは信州・松本に本社を置くことから、秀逸な山岳写真の印刷を手掛ける機会に多く恵まれました。弊社のロングセラーである山岳カレンダー『稜線』は「まるで目の前の山々と対面しているかのようだ」などの評価をいただいております。

また、繊細な色再現力を求められる美術品や芸術品などの印刷物も多くあります。その世界観と感動を余すことなく伝えようと、試行錯誤を繰り返し製品を仕上げた、印刷現場の経験も受け継がれています。

じつは、この度取得したJapan Color標準印刷認証の印刷の安定性と色再現レベルは、今プラルトで生産している製品において、すでにクリアしていました。それではなぜ、敢えて標準印刷認証を取得したのか?

それは、さらに上の表現技術であり長野県内での取得はまだない「マッチング認証」を取得するために必要であったからです。(2017年5月現在)お客様に、五感を潤す質の高い製品を安定してお届けするための通過点にすぎないのです。

川村泰丈

プラルトにおける色調をはじめとする印刷物の品質全般を総合管理する製版部の川村泰丈。

Voice
「山岳写真の仕事がきっかけで、登山をするようになりました。実際に自然の中に身を置いて光や影、大気の流れなどを体感することで、カメラマンの感性に一歩でも近づくことができれば...、またそれを印刷物に表現できたら、と思っています」

会社の技術を高めること

Japan Color「標準印刷認証」を取得したことによって、今の私たちの印刷クオリティーを再認識することになりました。そしてこのことがきっかけで、次に向かう目標が明確になりました。

芦田英樹

お客様の要望を的確にくみ取り、写真の色調補正を綿密に行い、リアルな色再現に細かく目を配る製版部の芦田英樹。

Voice
「優れた印刷職人を擁していても、その職人達だけの技術と経験に頼りきってはいけないと思っています。自分たちが向かっているのは"常に同じ品質が保たれる"会社全体のレベルです」

お客様とともに創造する喜び

お客様からオペレーターの指名を受けるプラルトの印刷現場。これは各々の持つ技術と経験、判断力を認めていただいているからこそのこと。お客様が思い描くイメージを実現し、感動を伝える印刷物は、機械ではなく人の感性から生まれています。

高木英一

お客様からの信頼が厚く、指名を受けることが最も多い印刷オペレーションチーフの高木英一。

Voice
「ご指名をいただくと"良い仕事をするぞ!"とモチベーションが上がります。お客様と一緒に色の調整を重ね、理想の色が再現出来た瞬間が最高ですね。品質にこだわるお客様の印刷立ち合いは大歓迎です」

+αの技術「速乾印刷」で

「速乾印刷」とは、印刷の精度を保ちながらインクの乾燥時間を大幅に縮める技術のこと。プラルトでは、色の品質を追求することはもちろんのこと、お客様の喜ぶ顔を見たい一心で、+αの技術を常に心がけています。

田中元

お客様のさまざまな要望に、全て応えたいと話す印刷部の田中元。お届けまでの時間を短く、という注文にも研究に余念がありません。

Voice
「印刷後に必要なインクの乾燥時間を、1時間でも短くするための工夫をしています。ポイントはインクと水の量の調整。できるかどうかを考える前に、まずはやってみるのが私の持ち味でもあります」

Japan Color 標準印刷認証を基準とした印刷見本
Kyoko Yamada Botanical Art

Kyoko Yamada Botanical Art

上記作品は、Japan Color標準印刷認証を基準として印刷しました。(※実際の印刷物でご確認ください)

アーティスト紹介

山田 恭子
(1946年生まれ・長野県塩尻市)

信州ボタニカルアート協会・同好会 講師。
国立科学博物館主催と日本園芸協会主催の植物画コンクールでゴールドメダル受賞。
アメリカハント国際植物画展に入選、作品が収蔵される。
東京での企画展やグループ展、県内での個展等で毎年作品を発表。
株式会社プラルトでは、作品集、ポストカードなど多岐にわたり、緻密なタッチと奥深い色調の世界を再現する印刷に携わらせていただいています。

 

当社の印刷技術が活きた作品の一部をご紹介

美術印刷から一般商業印刷までデザイナーと一体となり、多岐にわたり高品位印刷に取り組んでいます。

オリジナルカレンダー Photo Gallery稜線

オリジナルカレンダー Photo Gallery稜線

プラルトが1993 年より発売しているオリジナルカレンダー。
信州の名山を独自技術のハイビジョン印刷でリアルに再現しています。

上高地五千尺ホテル料理長 水と緑 小浜英展のフレンチ

上高地五千尺ホテル料理長  水と緑 小浜英展のフレンチ

上高地五千尺ホテル様のレシピ集。
印刷機器メーカー、日本アグファ・ゲバルト株式会社主催による「Sublima(スブリマ)+ 印刷コンテスト2016」において見事銀賞を受賞しました。

エプソンブランドブック

エプソンブランドブック

2015年、セイコーエプソン株式会社様の制定40周年を記念して発行されたブランドブック。表紙は、特色メタリック+4色プロセスカラーでの印刷。本編の印刷においても時代ごとの写真色調を重視しています。

私たちがJapan Color標準印刷認証を維持していくために

Japan Color取得後も3か月ごとに、印刷の状態が認証基準を満たしているかを証明するためのテストチャートを印刷し、計測管理しています。

テストチャートと品質記録

Japan Color標準印刷認証を維持するためのテストチャートと品質記録

プラルトのニュースレター「Purari(ぷらり)記事一覧」はこちら